名前を言わないという「選択」





マシンを使ったメニューがあると
どうしてもマシンの名前を書きたくなるけど
機械よりも先に、信頼を置くということが大切だよね


というのも、
お客様との会話の中で、ふとした瞬間に空気が変わることがある。



「これって、あの◯◯ですよね?」
「最近、△△の新しいのが出たって聞きました」



その言葉自体に、悪意はまったくない。
今の時代、調べるのは当たり前だし、情報を持っていることは賢さでもある。



ただ、その一言を聞いたとき、
「あ、すみません、最新の機械じゃなくて….」って
心の中で思っちゃう。



選ばれる軸が“私”から“機械”に移ったな、って
昔はちょっとしゅんって落ち込んだりしてた。


これは、お客様が悪いわけではない。
むしろ自然な流れだと思う。



けれど、施術者側が無自覚なまま
機械の名前を前面に出し続けていると、
静かに、でも確実に起きていることがある。


それは─
価値の主語が、自分ではなく「モノ」になるということ。



機械の名前を出すこと自体が、
悪だと言いたいわけではない。


機械には、機械の良さがある。
一定の結果を出しやすかったり、
施術者の負担を減らしてくれたり、
今の美容業界において欠かせない存在なのも事実。



ただ、名前を前に出した瞬間から、
比較の土俵が変わる。



・より新しいか
・より高性能か
・より安いか
・導入が早いか



そうやって、評価基準が
「人」ではなく「スペック」に移っていく。



そして当然のように、
次に出てくるのは「上位互換」


欲しくなるのよ。求めちゃうのよ。
大体の人は。


わたしもこの間マシンでサロンを選んで
受けに行ってみたもんなー


あ、、ここは3だけどあそこは4だし
4のところいこーって。



機械で選ばれている限り、
機械より新しいものには、勝てない。


だから機械はパートナーぐらいの
勢いで、「この機械を使う私がすんごいんだから」
ぐらい機械が薄まるくらい「自分」を
出していく必要があると思うの。
オールハンドサロンより。



これは感情論ではなく、構造の話。



現実的な話をすれば、
最新機器をずっと追い続けるのは、簡単じゃない。



導入コスト、メンテナンス、買い替え。
償却が終わる頃には、
もう次の「最新」が出ていることも珍しくない。


それに、
最新=安定した結果、とは限らない。



使いこなすには時間が必要だし、
同じ機械でも、結果が違うのはよくある話。
ほんと人によって違う。


結局、最後に差が出るのは
誰が、どう使っているか。


それなのに、
名前だけが前に出てしまうと、
その一番大切な部分が見えなくなる。



だから私は、
機械の名前を、必要以上に前に出さないように
してたんだよなー。


これは技術でもそうで
わたしは「勝山浩尉智美容矯正」をやってるけど
お客さんへのinstagramで勝山勝山言ってないのよ。



それは、隠しているわけでも、
誤魔化しているわけでもない。


むしろ逆で、
主語を「技術」から「私」に戻しているだけ


・どんな状態の人に
・なぜこのアプローチを選び
・どう変化していくのか


そこを丁寧に伝えることの方が、
ずっと誠実だと思っている。



名前を言わない集客は、逃げじゃない。
選ばれる軸を、手放さないための選択。



不思議なもので、
機械の名前を細かく覚えて帰る人よりも、


「なんか、ここ違う気がする」
「よくわからないけど、安心した」

そう言ってくださる方の方が、
長く通ってくださることが多い。


調べる人ほど、
最後に決めているのは
数字でも名前でもなく、

・任せられる感覚
・一貫した考え方
・この人なら大丈夫、という安心感


機械や技術を探しに来た人が、
“人”で残ることはあっても、



人を求めて来た人が、
“機械”や“技術”で離れることは、ほとんどない。



名前を出すか、出さないか。
それ自体に、正解はない。


でも一つだけ、確かなことがある。



自分が「何で選ばれているのか」を理解していない集客は、
いずれ必ず苦しくなる。



私は、
機械や技術で選ばれたいわけじゃない。


どんな道具や技術を使っても、
最終的に「あなたに任せたい」と言われる場所でありたい。


これから先もずっと人で選ばれたい。

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