心理学を武器にする人たちへ


この間、SEO対策の営業がしつこくて、
「じゃあ一度だけ話を聞きます」と時間をつくった。

最初の提示は、7年間で250万円。


数字だけ聞けば大きいけれど、
営業の世界ではよくある金額設定。
むしろ安い方。


私は途中から契約する気はなかった。
ただ、どういう組み立てで来るのかを見てみたかった。



最後まで「契約しません」と言い続けたら、
案の定、こうなった。



「では3年間で198万円でどうですか?」



値下げしているように見せかけて、
年単価は上がっている。


この時点で、私は完全に冷静だった。



数字を扱う仕事をしている人が、
この計算を理解していないはずがない。


つまりこれは、
提案ではなく“テスト”

こちらが混乱するかどうかの確認。




そして最後の一言。

「僕、絶対断られますよね。
悲しいです。心理学も勉強してるんですけど、
このパターン断られるやつですよね。
帰りたくないです。」


ほっぺを膨らませながら。



心理学は、本来
人を理解するための学問。

なぜ人は不安になるのか。
なぜ人は安心すると緩むのか。
なぜ人は自分を守ろうとするのか。



そこを深めるもの。


それを「勉強している」と前置きして、
同情を誘う材料にする。


その心理学の使い方は
少しだけ、怖い。



私は大学で心理学を専攻していた。

実験、統計、レポート、理論。
嫌になるほど向き合った。

だからこそわかる。

心理学を本当に学ぶと、
人を動かす怖さも知る。


あ、今は同情誘導。
あ、これは返報性。
あ、これはコミットメントの揺さぶり。



勉強していると言えば言うほど、
こちらは一歩引く。


なぜなら
「心理学を人を操るために使おうとしている」と
自分で宣言してしまっているから。


言葉一つで、
相手の判断を揺らせる。


だから軽くは言わない。




営業が悪いわけではない。

私は営業そのものを否定しない。

でも、信頼を軽く扱う人とは
仕事をしない。



価格を揺らす人。
時間を守らない人。
境界線を越えてくる人。



「30分だけ」と伝えた。
それが気づけば3時間。



時間を守らない人は、
境界線を守れない。

境界線を守れない人は、
いずれ約束も守れなくなる。

これは感情の話ではなく、構造の話。




私は施術で、不安を煽らない。

「今やらないと間に合いませんよ」とも言わない。
「今日決めないと損します」とも言わない。


だから回数券を私は用意してない。



心理学は使う。

でもそれは、
操作のためではなく、安心のため。



操作しようとする言葉は、騒がしい。
理解しようとする言葉は、静か。



本当に価値があるものは、
焦らなくても選ばれる。


本当に学んでいる人は、
「勉強してます」と言わない。



本当に誠実な人は、
値段を揺らさない。



本当に信頼できる人は、
時間を守る。



弱さを見せることと、
弱さを武器にすることは違う。


可哀想に見せる技術はある。

でも私は、
可哀想だから契約する人ではない

理解したいから選ぶ人でいたい



心理学は刃物にもなる。

でも私は、
それを振りかざす人よりも、



静かに差し出す人と
仕事をしたい。



そして自分も、
そちら側でありたい。



学んだことは人の役にたつために使いたい。

軽く自慢したい。大学は成績トップ7で入学。学校ではほぼオール5。成績優秀な女の子でした。

でも水泳のある夏だけは「4」が入っちゃう。水が嫌いな女です。笑

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